土木系高専生の編入体験記
はじめに
これは,令和5年度の編入体験記です.
数少ない土木系高専生の編入体験記だと思うので,最後まで目を通して頂けると幸いです.
<志望大学>
この記事では,編入試験のためにしたこと,しておけばと後悔したことを書いていこうと思います.
- スペック
- 概略
- 受験までにやったこと
- 受験の心構え
スペック
1年次:14位
2年次:4位
3年次:4位
4年次:3位
5年次:4?5?位
TOEIC:600(7月)→710(9月)
TOEIC(IP):760
自分の出身高専は,土木系の学科はあまり勉強に熱心な人が少ないので,席次は比較的に取り易い印象でした.
概略
高専入学当初はあまり成績が良くなかったですが,2年次からテストに力を入れ席次を上げることができました.
編入を意識し始めたのは,3年生の時に研究職に就きたい!と思うようになってから大学編入→大学院へのルートを考えるようになりました.
4年生になり,編入先を考え始めたときに幸か不幸か身近な先輩に編入ガチ勢がおり,その人と同じ筑波大学に行きたいと思い勉強を始めました.
土質力学に興味があり,筑波大学では月地盤工学について研究している先生がおり,ZOOMでお話をさせて頂いたりしていました.
自分が所属している土木学科では,大学物理を履修することができないので,剛体や電磁気を独学で勉強していました.
しかし,5年次の春休みに完成度が足りない,受からないかもしれない,滑り止めにしようとしていた専攻科のやりたい研究室の先生が辞めちゃったなどの経緯があり,諦めようと決心しました.
5年の4月に第一志望が消え,不安になりながら,千葉大や横国の学校推薦を考えながら,最終的に都立大学学力試験に決めました.
試験まで時間がなかったので,先生たちの研究室の前でずっと勉強していました.
受験までにやったこと
1-2年次:定期テストの2週間前から必死に勉強
3年次 :定期テストとTOEICをやらなければならない不安感から,金フレを暗記し続ける
4年次 :9月までTOEIC,3月まで数学と物理
5年次 :専門科目の勉強
1-2年次はとりあえず学術賞をとれたらいいなと思いながら,定期テストの前に勉強をしていました.
寮生だったので,寮の同級生と集まって勉強していました.
3年次から本気で勉強を始めました.学術賞を狙って取り逃し,英語が苦手だったのでTOEICへの不安感を募らせながらabceedで金のフレーズの四択をポチポチしていました.今思うと,ここでTOEIC用の英単語に慣れていたのが後々効いてきたと思います.
4年次から本格的に編入を意識して勉強を始めました.
(春休み中は,編入から逃げて簿記の勉強をし,簿記3級と取得したりしてました.)
夏休み終了までに多くの大学でMAXとして配分されているTOEIC730点を取ることを目標に勉強をしました.
夏休みが終わってから,数学と物理に集中して勉強を始めました.
TOEICの勉強方法
Morite2 English(もりてつ)信者だったので,初めのうちはyoutubeを観ながらTOEICについて勉強しました.
おすすめの勉強法としては,シャドーイング一択です.
- 問題を解く
- 知らない単語や構文をスクリプトに書き込む
- 音声を聞きながら,ぼそぼそ呟く
- イントネーションが合うように読み上げ,情景をイメージする
- 音声を録音して確認し,発音を修正
- 暗誦できるまで繰り返す
30分くらいあれば一通りできるので,毎日Part3,4から1文選んでを練習していました.
TOEICで700点を超えるには,L400R300が理想形だと思うので夏休みに入る前まではリスニングと比較的簡単なPart5対策のみをしていました.
夏休みに入ってから,毎日8時間くらいリーディングの対策を始めました.
- 問題を解く
- 単語と構文をまとめる
- 再度解きなおす
- 間違えた問題の単語と構文を確認する
- 解きなおす
同じ問題を3周して,満点をとれるように勉強していました.
<使用した参考書>
- TOEICTEST模試特急新形式対応
- 文法特急
- TOEICテスト新形式精選模試リスニング,リーディング
- TOEICL&Rテスト究極の模試600問+
数学と物理の勉強法
最終的にあきらめた側としては,あまり参考になる勉強法じゃなかったかも知れません.こんな勉強法をして時間を無駄にしないようにして下さい.
数学は,とにかく問題と解き解答を確認を続けました.今思うと,手順をただ暗記するのだけになっており,基本的な数学の知識が不足していたと思います.高専から配れるワークのステップアップをしっかり演習すべきでした.
<使用した参考書>
物理も数学と同じように問題演習と公式,手順暗記を反復していました.これも,物理の基礎的な能力を養うことができずになっていたと思います.
<使用した参考書>
- 基礎物理演習Ⅰ,Ⅱ
- 物理のエッセンス
- 理系なら知っておきたい物理の基本ノート 電磁気編
- 大学生の力学,電磁気学
専門科目の勉強法
正直に言うと,都立大学の都市基盤学科の専門科目はとても簡単です.9割くらいとれないと受からないんじゃないかなぁと思うくらい簡単です.
試験科目は,
材料学
土木計画
の5つです.
令和5年度の試験では,
構造力学:ゲルバー梁の支点反力→M図→たわみ
土質力学:3種類の試料の質量と含水比から混合後の密度,乾燥密度,含水比,飽和度,間隙比・定水位手透水試験での透水係数
材料学 :セメントの基礎知識,鉄筋の応力図
土木計画:線形計画に関する問題,適合度の検定
土木計画が学校によっては学習範囲外からの出題になるので,確率統計の教科書を使いながら検定について勉強しました.
それ以外の専門科目は教科書の問題が解ければ問題ないレベルです.
<使用した参考書>
ネットの海から,いろんな大学の過去問もかき集めて解きました.
受験の心構え
編入を成功させたとは言えない身としては,編入試験で大事なのは,人脈・メンタル・経済力です.
編入試験は情報戦なので,いろんな大学の過去問や体験談を集めるためには先輩や同級生と協力する方が成功率は上がると思います.
受験前になると,クラスの大半は推薦入試を受け,学力試験を受けることには進路が決まってないのが自分だけということになります.周りが遊んでいるなか,勉強をし続けるためのメンタルが必要です.また,不安から大学のランクを一つ下げたくなるのでどうせなら,無理目な大学を第一志望にしておいて,下げても満足できるようにしておいた方が良いです.
何気に大事なのが.経済力です.編入は金がかかります.大学一つ受けるのに受験料3万(都立大学は安くて18000円),交通費と宿泊費が必要になるので,だいたい6万くらい負担することになります.